hidesun(英寸)
2010年12月10日
22:47
日本におけるかんざしの始まりは、縄文時代ごろまで遡ることができる。その頃の古代日本では、1本の細い棒に呪力が宿ると信じられており、それを髪に挿すことで魔を払うことができると考えていたようである。またさらにそれを束ねた櫛の原型ともいえる出土品もある。
その後、奈良時代に入り中国から様々な文化とともに髪飾りも伝わってきた。当初は日本へ伝来したものの、その後垂髪が主流である平安期の国風様式に押されて廃れてしまう。そのためこのころ「かんざし」と呼べば髪飾り一般を指す名称で、飾り櫛や笄のこともさしていた。
安土桃山時代ごろ「垂髪(たれかみ)」と呼ばれる真直で長い髪から「日本髪(にほんがみ)」と呼ばれる様々な髪形へと髪型が変遷する際に、髪飾りとしては先ず簪が用いられた。江戸時代に入るとより幅広い用途で用いられるようになり、緊急時には防禦のために用いられたとも伝えられる。
江戸時代中期以降、髪形が複雑化・大型化するにつれて櫛や笄とともに女子の必需品となっていったが、宮中行事などを除いて男子の衣装風俗からは消えた。 ただしこの頃においても琉球王国では金属製の簪「ジーファー」を男女ともに着用しており、身分によって材質にも規定があった。
江戸時代末期に最大の隆盛を見せ、髪飾り専門の飾り職人が技術の粋を凝らした平打簪、玉簪、花簪、びらびら簪などさまざまな種類の簪がある。
近代では洋髪の流行とともにやや衰え、神前結婚での花嫁や芸者や芸妓などの女性が日本髪を結う場合に使用されるが、近年に入り簪の持つ優美な美しさを普段の洋装に加えようとする若い日本女性の間で再び脚光を浴びつつもある。
つまみ簪・花簪
特殊な簪としては、京都の舞妓や東京の半玉が身につけるつまみ簪(花簪)がある。 花は絹の羽二重や水引細工で作られた色鮮やかなもので、舞妓が付ける花簪は月ごとに決まっており、四季の移り変わりを表現し、その舞妓の芸歴・趣味を反映させる。 舞妓になって一年未満は花の一つ一つが小さく、簪の下に垂れ下がる「ぶら」が付いているが、二年目以降はぶらが取れる。年長になる程花が大振りのものになっていく傾向がある。 現在舞妓用の簪は、京都八坂神社近くの「金竹堂」等、数店が手がけている。
一月:「松竹梅」或いは「羽子板」「糸車」「寒菊」など。正月(京の花街は15日まで)は「稲穂と鳩」を舞妓は髷の右、芸妓は左につける。鶴亀などを添えることも。鳩の目を意中の人に書いてもらうと恋が成就すると伝えられている。
二月:「梅」(蝶や結び文を添えることも)や他に節分のおばけに付ける「くす玉」「かざぐるま」などもある。(他に水仙を挿すこともある)
三月:「菜の花」(蝶を添えることも) 他に「水仙」「桃」「牡丹」
四月:「桜」 他に「五郎蝶」
五月:「藤」 他に「あやめ」
六月:「柳(撫子の花が付いている)」 他に「紫陽花」
七月:「団扇」祇園祭の期間(の内の7月10日頃~24日)に付ける「お祭り」
八月:「ススキ」 他に「朝顔」
九月:「桔梗」 他に「萩」
十月:「菊」
十一月:「紅葉」 他に「いちょう」
十二月:「まねき」(歌舞伎役者などの名前を記す木の看板)(これに「餅花」の飾りが付いていることも)
◆万華鏡 & みるきー舞姫合同公演のご案内◆
◆場所 江戸吉原SIM
◆日時 12月19日(日)
◆演目
・デモンストレーション 花魁道中(みるきー舞姫)
21:40~22:00
・万華鏡
22:00~23:00
・みるきー舞姫
23:00~24:00
◆場所
http://slurl.com/secondlife/EDO%20Yoshiwara/69/195/21