天孫降臨①

hidesun(英寸)

2011年04月05日 21:10


天孫降臨の話は基本的には高天原の神々がその直系の神を地上の支配神して降ろし、地上を支配していた大国主神から国土を譲り受ける話。

天照大神は地上の国は自分の子供の天之忍穂耳命(正しくは正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命。須佐之男神との誓約で生まれた子)が治めるべき国である、と言って天之忍穂耳命を地上に降ろそうとしますが、天之忍穂耳命は地上は騒がしくて手に負えませんと言って帰って来てしまいます。

そこで高天原の神々の合議の結果、天之忍穂耳命の弟の天菩比神(天穂日神,あめのほひのかみ)が地上の国を高天原に従わせる為に派遣されることになりますが、天菩比神は大国主神の家来になってしまい、3年たっても戻って来ませんでした。

そこでまた合議の結果今度は天若日子(あめのわかひこ)が派遣されることになります。ところが天若日子は地上に降りると美濃の国で大国主神の娘の下照姫と結婚し自分がこの国の王になってやろうと考え8年たっても戻りませんでした。

ここで高天原の神々は天若日子の所へ使いとして雉鳴女を遣わします。雉鳴女が「あなたの使命はどうしたのです?」と天若日子を問いただすと、天若日子は弓矢で雉鳴女を射殺してしまいます。この時雉鳴女を射抜いた矢が高天原にまで達して、その矢を高産巣日神が拾いました。見るとそれは自分が天若日子に渡した矢です。

そこで高産巣日神は「天若日子が使命を忘れておらずこの矢は誰か悪者が放ったものであれば天若日子には当るな。もし天若日子の邪心があればこの矢に当れ」と言って矢を下に落しますと、見事に天若日子の胸を射抜きました。(これを還し矢といいます)
天若日子の死を嘆く下照姫の鳴き声が天上まで響くと、天若日子の父は哀れんで地上におり、馬鹿なわが子の為に葬儀の手配をしてやりました。また友人(というか下照姫の兄)の味鋤高日子根神も弔いに訪れましたが、高日子根神が天若日子とよく似た風貌であったため、まだ地上にいた天若日子の父が「私の息子が生きていた」と言って抱きついて来ました。すると味鋤高日子根神は「間違えるな」と怒って、剣を抜いて喪屋を切り倒すという一幕もありました。

さて、高天原では次に誰を派遣するかという話になるのですが、やはり強い神でなければならないということで、建御雷之男神(たけみかづちのかみ)と経津主神(ふつぬしのかみ)が派遣されることになります。

先に派遣された神様たちに比べて、建御雷之男神と経津主神はたいへん任務に忠実でした。神は大国主神の前にズカズカと進み寄り、剣を抜いて地面に突き刺して「この国は天照大神の子が治めるべき国である。そなたの意向はどうか」と言います。すると、大国主神は、自分が答える前に息子の事代主神に尋ねるようにと言います。

そこで建御雷之男神は美保ヶ崎に行き事代主神に国譲りを迫ると、事代主神はあっさりと「承知しました」と言って家に引き篭ってしまいます。そこで建御雷之男神は再び大国主神に「他に何か言う奴はいるか?」と聞きますと、大国主神は「もう一人の息子、建御名方神にも聞いてみてくれ」と言います。

建御名方神は事代主神に比べると荒っぽい神様でした。建御雷之男神が国譲りを迫ると、建御名方神は巨大な岩を抱えて来て、力比べを挑みます。そして「どれお前の手をつかんでやる」と言って建御雷之男神の手を握ろうとすると、建御雷之男神の手はたちまち剣の刃に変化しました。建御名方神は慌てて手を引っ込めます。そして今度は建御雷之男神が「では今度は俺の番だ」と言って建御名方神の手を握ると、建御名方神の手は草にようにぎゅっと握りつぶされてしまいました。

慌てて建御名方神は逃げ出しますが、建御雷之男神も追いかけていきます。二人は追いかけっこをして、とうとう諏訪湖までやってきました。そしてもう逃げ切れないとみた建御名方神は、俺はもうこの地から出ないから殺さないでくれ、と嘆願するのです。建御雷之男神もこれで目的を達したとして、その言葉を信じ、再び大国主神の所に行って、さぁどうすると尋ねます。

すると大国主神は「二人の子供が高天原の神に従うというのであれば私も逆らわないことにしましょう。その代わり私の住む所として天の子が暮らすのと同じくらい大きな宮殿を建てて下さい。私はそこで幽界の支配者になりましょう。現世のことはあなたたちにお任せします。私の180人の子供たちも事代主神に従って貴方たちには抵抗しないでしょう」と言いました。そこで建御雷神はそのような立派な宮殿を建てさせ、高天原に復命しました。【 続く 】


【 みるきー舞姫睦月公演 奉納舞 】

● キャプチャソフト : Bandcam / HD youtube動画
● 撮影日 : 1月30日(日)
● 撮影場所 : Eleanor's land
神話