hidesun(英寸)
2011年09月24日
21:32
燗酒(かんざけ)とは、加熱した酒のことである。なお、酒自体を加熱する行為のことを、燗(かん)を付ける、お燗(おかん)するなどと言う。ただし、お湯を加えることで酒の温度を上げる行為を燗とは言わず、その場合は、お湯割り(おゆわり)と呼んで区別される。基本的に、燗を行う時、加水(お湯も含む)は行われない。
※ 画像:Japan Graffiti sakai1574 SIM内大神稲荷神社内 社務所内
燗は、普通、日本酒、または、中国酒の一部を飲む際に行われます。日本酒を加熱したものを燗酒と呼ぶこともありますが、燗が行われるのは日本酒だけではありません。ただし、基本的には醸造酒でしか燗は行われません。また、暑い時期にはあまり行われず、寒い時期に多く行われる傾向にあります。燗は、日本や中国では古くから行われてきた行為であり、現在でも行われる行為ですが、世界的に見ると珍しい行為です。対して、酒のお湯割りは、世界中で行われる行為です。
※ 画像:Japan Graffiti sakai1574 SIM内大神稲荷神社内 社務所内
【 燗酒の歴史 】
お酒を温めて飲む「燗」は日本酒の特徴の一つですが、お酒を温めたと思われる「暖酒料炭一斛」という記載が、平安時代の延喜式(927年)にあります。また同じ延喜式に、お酒を温めた鍋だとされる「土熬堝(どこうなべ)」という文字も見られます。おそらく直接火にかける「直燗」用の鍋だと思われますが、どのような形をしていたのかは判りません。 平安時代に貴族の間で広く読まれた、中国の白楽天(はくらくてん)の詩集「白氏文集(はくしもんじゅう)」には「林間に酒を煖めて紅葉を焚く」という有名な詩句がありますし、「万葉集」の山上憶良(やまのうえのおくら)の「貧窮問答歌」には「・・・すべもなく寒くしあれば、堅塩を取りつづしろひ、糟湯酒うちすすろいて・・・」と塩をなめながら、お湯でといた酒粕をすすって暖をとる、庶民の姿が歌われています。
また10世紀の「宇津保物語」の蔵開き下の巻に「酒樽に入れて据えてまがり(鋺:えん)して沸しつつ飲む」とあります。お鋺とは貝の器だったらしく、これに酒を入れて火にかけて燗をしたようです。
このようにお酒を温めて飲む習慣は、かなり古くから行われていたようですが、昔は、旧暦の菊の節句(新暦10月初旬頃)より、桃の節句(新暦4月上旬)まで酒を温めて飲んだ、と記載があります。
燗酒を飲んだ主な理由は、暖房器具が現在ほど多くなく、燗酒で簡単に暖を取ったからだと思われます。
二次的な理由として、江戸時代の酒は現在ほど米を精白することができなかったために、温めることで、酒質の悪さをごまかしたのだともいわれています。
そして一年中燗酒を飲む習慣は、燗徳利が酒席に登場した江戸時代後半から一般的になったようです。
【 日本酒の燗における温度 】
【 燗に適した酒 】
味の深い「味吟醸」、「ひやおろし(夏越し)の酒」、「古酒」など、熟成香が少しあり、味がまろやかなものが燗によいとされています。酒を燗すると、味わいを引き立たせ幅を持たせるので、味や香りがよくわかり、熟成した旨味を楽しめます。
逆に生酒や吟醸酒を燗すると、香りがつんつんし、味はピリピリと舌を刺激するなど違和感を感じることがあります。吟醸酒のような香りの高い高級酒は、50度を超す「熱燗」(あつかん)ではせっかくの香味が台無しになります。「人肌燗」から「ぬる燗」にするか、冷やしてその微妙な風味を味わって下さい。
「燗酒wiki他より」
※ 画像:Japan Graffiti sakai1574 SIM内大神稲荷神社内
場所
※ 今回の画像の徳利、熱燗セットは、りょーさん作
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【 舞姫・奉納舞動画 2011.1月 】