スカイ・クロラ

hidesun(英寸)

2013年02月10日 20:22


ショーとしての戦争を生きる日常の中で、僕は出逢った、君に。



「キルドレ」呼ばれる年をとらない若者たちが、戦闘機のパイロットとして戦いながら生きる意識を変化させていく姿を描く。澄み渡る蒼穹の中を時にあがき、時に愛を求めながら飛ぶキルドレの若者たちは、そのまま生きづらい現代社会で彷徨する現代の若者たちと重なっていく。キャラクターの心情は淡々と描かれる一方、空中戦のスピード感は圧巻。プロペラ機がまるで生き物のように縦横無尽にスクリーンを飛び交う。



前線基地・兎離洲に配属されてきた函南優一。戦争請負会社ロストック社に所属する彼は、戦闘機のパイロットである。優一の前任者は、仁郎という者だった。なぜか優一は、その前任者が気になってしょうがない。
兎離洲の基地には、女性司令官の草薙水素がいた。優一にとって同僚となった土岐野は、水素にまつわる数々の噂を披露する。かつては彼女も優秀なエース・パイロットであったこと。妹の瑞季は、実は娘であること。その父親が、前任者の仁郎であること。そんな仁郎を、水素が銃で殺したらしいということ……。ロストック社に所属する優一たちは、永遠に歳をとらない「キルドレ」だった。



安定した社会の中で、市民に平和を実感させるための戦争ショーを演出するロストック社は、ラウテルン社との空撃戦を繰り返し、優一もそのコマのひとつに過ぎなかった。昼は戦闘機に乗り、夜はダイナーで食事を楽しんで、つかの間の快楽を娼館でひたる優一と土岐野。変わらない日々を過ごす兎離洲基地のメンバーに、新たな隊員が加わった。そのひとりである三ツ矢碧は、優一に好意を抱く。しかし、優一はミステリアスな水素に惹かれ、水素もまた優一の存在を無視できなかった。



ロストック社とラウテルン社の戦争ショーは、さらに激しい展開が要求され、戦闘の途中で命を落とすものも少なくなかった。永遠の命を持つ「キルドレ」も、戦闘中の事故では姿を消すことになるのだ。やがて優一は自分が仁郎であり、水素は妻であったことに気がつく。そのとき彼は戦闘機に乗り、最強の敵であるティーチャーへと戦いを挑む。







激戦の末、優一は破れた。そんな彼の帰還を仲間たちは待つ。ただ、待つことしかできなかった。そしてある日、兎離洲基地に戦闘機が舞い降りる。新たな戦闘員は、生まれ変わった優一だった。「キルドレ」、それは終わりなき命。



スカイ・クロラ The Sky Crawlers 予告編




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