2011年06月03日
紫陽花

花が青紫色で中性花の萼片が皿形につぼまるウズアジサイ、花が八重咲きになるヤエアジサイなど品種が多く、セイヨウアジサイ(ハイドランジャ)はヨーロッパでアジサイを改良したものです。ヨーロッパへは1789年に、日本から中国に渡っていたアジサイをバンクスJoseph Banksがイギリスのキュー王立植物園に導入したのが初めで、その後ヤマアジサイ、ベニガクなども渡って交雑育種され、多くの園芸品種が育成されました。

『万葉集』に大伴家持(おおとものやかもち)と橘諸兄(たちばなのもろえ)が詠んでいますが、平安文学に名はみえません。色が変わることが心の変節と結び付けられ、道徳的でないとみなされて、近世までは目だたない花でありました。逆に西洋では色変わりが珍しがられて改良が進みました。
シーボルトが愛人のお滝さん(楠本滝)の名からオタクサH. otakusaを種小名に与えたが、現在は先取権上ツンベルクが命名したマクロフィラが使われています。『和名抄(わみょうしょう)』以来の漢名である紫陽花は、中国ではライラックとする説が有力です。
紫陽花は、咲き始めからだんだんと花の色を変えることから、移り気な花と呼ばれていますが、これは心変わりからではなく、美しくなるための試行錯誤のような気がします。 現に、いちど地面に根を張ったアジサイは、冬の間は枯れたように見えながら、春になると再び、強い生命力で新芽を伸ばし、緑の葉を広げます。そしてその花たちは、日々美しくなるために色を変え、それでも満足せずに、また、色を変えていくのです。
そんなアジサイの中に、シーボルトは、つかの間の愛人として生きた「お滝さん」の姿を重ね合わせたのでしょうか。
名前だけを連れて帰ったシーボルト。
「人の心をごまかすように 七つのおたくさ紫陽花は オランダさんの置き忘れ……」と、長崎を舞台に、お滝さんをうたった悲しげな曲が残ります。いつもその身を雫でいっぱいにしている印象が強いアジサイ。お滝さんのことをうたった悲しげな曲を思い出すと、その雫は彼女の涙にも見えてきてしまいます。水が大好きで、人(?)一倍水を吸収する紫陽花らしい話「ひたむきな愛情」です。
古来より、紫陽花の花を乾かし煎じて飲むと、解熱作用があるといわれています。好きな人に想いをこめて贈れば、なにかいい結果がでるかもしれません。

Japan Graffiti sakai1574_SIM内大神稲荷神社は、こちらから

【 みるきー舞姫睦月公演 奉納舞 】
● キャプチャソフト : Bandcam / HD youtube動画
Posted by hidesun(英寸) at 21:15│Comments(0)
│和の暦
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