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2011年10月30日

霜月まつり~千と千尋の神隠し

日本では、旧暦11月を霜月(しもつき)と呼び、現在では新暦11月の別名としても用いる。「霜月」は文字通り霜が降る月の意味である。他に、「食物月(おしものづき)」の略であるとする説や、「凋む月(しぼむつき)」「末つ月(すえつつき)」が訛ったものとする説もある。また、「神楽月(かぐらづき)」、「子月(ねづき)」の別名もある。
霜月まつり~千と千尋の神隠し

誕生石 - トパーズ
星座 - 蠍座(11月22日頃まで)、射手座(11月23日頃から)
誕生花 - 椿、クリスマスローズ

霜月まつり
日本の古き良き伝統行事を今に伝える地域・遠山郷。 この地域を代表するお祭りが「霜月祭り」です。 毎年12月に地域内の複数の神社で、神に捧げる舞や祈祷が夜通し催されます。 遠山郷には日本の伝統文化が息づいています。

霜月まつり~千と千尋の神隠し

赤石山地西麓を走る中央構造線に沿って連なる細長いV 字状の峡谷、ここが霜月まつりを伝えている遠山郷です。
遠山郷は西に伊那山脈、東に赤石山脈、それぞれの崩壊土壌によって農耕地が形成され、集落はそれらの斜面や河川の流域に点在しています。
こうした環境と生活の厳しさが、厚い信仰を育み素朴で優雅な霜月まつりを現在に伝える風土をつくりました。

遠山郷は古来、信濃国伊那郡江儀遠山の庄と言われ、歴史のなかで最初に顔を出すのは、文治二年(1186)に編まれた「吾妻鏡」においてです。南アルプスの山々に雪が白くかかる頃、祭り笛が谷を流れます。里人が待ちわびた年一回の神と人間の出会いの夜です。煮えたぎる神々の湯を浴びて、里人たちは身を清め、春まく種も稔り豊かに、平和で豊かな里であることを祈願するのです。
霜月まつり~千と千尋の神隠し

『千と千尋の神隠し』の原点、遠山霜月まつり

霜月まつり~千と千尋の神隠し
霜月祭りは「神様にお湯を差し上げる」祭りであるといわれます。あえて学問的に言うなら、「湯を浴びて穢れを祓い、清らかな魂を得て生まれ変わる」祭りです。 つまり全国の神々は、一年の垢を落としてリフレッシュしたいがために、手ぬぐい片手にはるばる遠山までやってくるわけです。 神々にとって霜月祭りの舞殿は、まさしく最高の銭湯です。・・・もっとも、湯上りの神様を待っているのは牛乳ではなく、ダイコンもしくは豆腐のカスですが。 千尋は、銭湯「油屋」での体験を経て、たくましく生まれ変わります。 彼女の活躍を見守ったわたしたちも、「良かった~」と感動で顔を上気させながら、スクリーンを後にします。映画館から出てきた直後は、見慣れたはずの町の風景が、なんだか新鮮に感じられます。銭湯・映画館・霜月祭り。どれもみな、一種の「生まれ清まり」の場なのかもしれません。

尋は暗い通路を抜けて、神の世界へと迷い込みます。遠山郷の場合でも、村に入るためには必ずトンネルを抜けなければなりません。 照明がなく片側通行の狭いトンネルもあり、これらは昔ながらに「隧道」と呼んだほうがしっくりきます。こうした隧道たちが、「秘境遠山郷」の演出に一役買っていることは間違いないでしょう。

トンネルは、この世とあの世(=異界)をつなぐ通路。
霜月まつり~千と千尋の神隠し

トンネルのあちらとこちら、どちらがこの世でどちらのあの世かは、人それぞれ違うでしょう。 けれどトンネルがしばしば「産道」にも例えられることを考えれば、日本最大の山脈に抱かれた遠山郷は、母なる大地の「子宮」にあたります。だからこそ、「生まれ清まり」の霜月祭りがこんにちまで伝承されている、のかもしれませんね。
霜月まつり~千と千尋の神隠し



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Posted by hidesun(英寸) at 16:09│Comments(0)和の暦
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