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2012年02月16日

羊羹

羊羹(ようかん)は、一般には小豆を主体とした餡を型(羊かん舟)に流し込み寒天で固めた和菓子。

羊羹

もともとは中国の料理で、読んで字のごとく羊の羹(あつもの)であった。これは羊の肉を煮たスープの類だが、冷めることで肉のゼラチンによって固まり、自然に煮凝りの状態となる。「羹」の通常の音(漢音)は「こう(かう)」で、「かん」は近世中国語に由来する唐音であり、現代中国語音「コン」に近い。鎌倉時代から室町時代に、禅僧によって日本に伝えられたが、禅宗では肉食が戒律(五戒)により禁じられているため、精進料理として羊肉の代わりに小豆を用いたものが、日本における羊羹の原型になったとされる。

羊羹

別の説によると、羊の肝臓の形をした菓子である「羊肝こう」が、中国から日本に伝えられた際、「肝」と「羹」が混同され、「羊羹」と呼ばれるようになった(『嬉遊笑覧』)ともされる。日本の文献における「羊羹」の初出は室町時代に書かれた『庭訓往来』の「点心」の記事と言われている。
いずれにしても初期の羊羹は、小豆を小麦粉または葛粉と混ぜて作る蒸し羊羹であった。蒸し羊羹からは、芋羊羹やういろうが派生している。また、当時は砂糖が国産できなかったために大変貴重であり、一般的な羊羹の味付けには甘葛などが用いられることが多く、砂糖を用いた羊羹は特に「砂糖羊羹」と称していた。だが、17世紀以後琉球王国や奄美群島などで黒砂糖の生産が開始されて薩摩藩によって日本本土に持ち込まれると、砂糖が用いられるのが一般的になり、甘葛を用いる製法は廃れていった。

羊羹

1589年(天正17年)、和歌山の駿河屋岡本善右衛門によって煉羊羹がつくられた。煉羊羹は寒天に餡を加え、さお状に固めたものである。こうして羊羹は日本独自の菓子となった。ただし、異説として山東京山(京伝の弟)が弘化元年(1844年)に書いた『蜘蛛の糸巻』の中で練羊羹は寛政期(18世紀後期)に江戸の菓子職人である喜太郎という人物が初めて作ったという説を載せており、これを支持する専門家もいる。
江戸初期の慶安元年(1648年)10月19日晩には信州佐久郡岩村田の割元の篠澤佐五右衛門良重が小諸城主青山宗俊に羊羹を献上している。この文献は子孫が所有しているが、現在は佐久市立望月歴史民族資料館にて一般公開されている。
江戸時代は煉羊羹全盛時代であり、江戸本郷の藤村羊羹をはじめ、多くの名舗が現われた。一方、伝統的な羊羹は蒸し羊羹といわれて区別されるようになり、その一部には丁稚羊羹と称したものもある。

羊羹

後に、お節料理のデザートとして水羊羹が、考案された。 水羊羹の誕生には、諸説あり、主に北関東の和菓子店の証言の多くから、お節料理として考案した冬季限定の和菓子が、発祥と考えられ、江戸時代以前に考案された物と推測される。この事ついては、更なる検証を要する。因みに、目黒区にも昭和30年代後期頃まで、お節料理用と冬のデザート用が、存在との証言もあり、虎屋の1700年代からの水羊羹製造の記述には、年中生産する様に成ったとも受取れる記述があり、1861年(文久元年)に、清寿軒が、考案との証言もある。寒天等を減らし、水分を多くした羊羹として考案したもので、初期の頃は、半練りに近く、やや固めな物で、後に柔かい物が、主流となる。また、この時期には金玉かん、淡雪かん(メレンゲを寒天で固めたもの)、みぞれかんといったあらたな羊羹も登場した。

羊羹

現在では、このほか、全国各地のさまざまな産物を用いた羊羹が存在し、土産品やお茶請けとして広く親しまれている。比較的高級な羊羹が切り分けて食べる棹物であるのに対し、安価な駄菓子として一口サイズで小分け包装された製品も開発された。特殊な包装としては、ゴム風船の中に詰めた玉羊羹が昭和時代に誕生している。

羊羹

堺SIM 大神稲荷神社 場所
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Posted by hidesun(英寸) at 21:32│Comments(0)和菓子
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