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2011年10月06日

七輪

七輪(しちりん)は「七厘」とも書く。木炭や豆炭を燃料に使用する調理用の炉である。関西ではかんてきとも言う。


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七輪は軽量かつコンパクトで移動が容易な調理用の炉である。形状は円筒形、四角形、長方形が主で、大きさも様々で、用途に応じて多品種生産されている。原料は主に珪藻土で、微細な中空構造を持ち断熱性が高いため保温効果が極めて高く、本体は熱く焼けないため持ち運びに便利である。赤外線の発生量も多く熱効率が極めて高いため、燃料を節約できるという利点がある。



囲炉裡や火鉢で火の熾った木炭や炭団を、長屋や屋台で携行し、少ない木炭消費で安全に長時間の煮炊きが出来るよう、町人文化の中で生まれ工夫改良されてきたものが日本独特の「七輪」である。燃焼室が皿状で浅い江戸期の七輪の形状を見ても、七輪単体で火熾しすることは当時は前提とされていなかった。

土間や野外などに直接置いて火床を囲う程度の持ち運び可能な土師製の炉は古代よりあったものと考えられるが、高床式木造建築の内部に持ち込み、屋内での使用に堪えうる「置き炉」としては平安時代のものが確認できる。これらは元は香炉や祭壇など宗教的祭具として屋内に持ち込まれたであろうものが、手あぶりなど採暖用途として、そして屋内での簡単な炊事や酒燗などに利用転用されたものと考えられる[1]。

現在のものとほぼ同様の構造のものは江戸時代に作られていたといわれ、日本人が通常「七輪」と考える焜炉は珪藻土を焼成して作られたものであるが、珪藻土を使用した円筒形のものが普及したのは戦後であり、江戸時代に日本各地の窯で作られたものは粘土(土師:はじ)製のものが中心であった。江戸では今戸の今戸焼が著名であり、瓦(かわら)焼窯の職人達が副製品として供給し普及したとされる。今戸焼はおおむね箱形であったようである。



円筒形の七輪は炊飯や煮炊きに使いやすく、このころの主流であったが、焼き物が主体となった近年では、横長の長方形の七輪の普及が目立つ。屋内外問わず使用され、近年では七輪を使用した炭火料理店も多い。

昔ながらの製法で珪藻土の塊を切り出し削って作ったものを「切り出し七輪」といい、これに対して珪藻土を粉砕し、粘土状にしたものを金型でプレス成型した「練り物製品」がある。切り出し七輪は職人による加工手間が多く、高価であるのに対し、練り物製品は量産しやすく安価で一般に普及している。特殊な形状として、薪を燃料として利用出来る「薪七輪」がある。通風口とは別に薪を入れるための大きな開口部が空けられている。  
タグ :七輪sakai


Posted by hidesun(英寸) at 21:32Comments(0)和文化